芦田医院

三角骨障害について

2023.01.30

初めての投稿は、バレエダンサーによく起こる「足関節後方インピンジメント」について書きたいと思います。

私自身、整形外科をしていて相談される事がよくあります。

その中には積極的な手術が進められるもの、手術しなくてもよくなるもの。

プロダンサーか競技レベルなどで手術療法、保存療法の必要度は様々です。

今日は、そんな「足関節後方インピンジメント」について論文のrevierを参考にして説明したいと思います。

 

【足関節後方インピンジメントの原因】

医学的には大きく分けて以下の3つが原因です。

 

・足関節または距骨下関節の形状

(脛骨天蓋の形状、関節ねずみ、色素性絨毛結節性滑膜炎、靭帯性のもの)

 

・骨性

(スティエダ結節、三角骨、セファード骨折、大きな距骨後突起、長母趾屈筋腱の骨化、余剰骨)

 

・軟部組織

(長母趾屈筋腱の腱鞘炎、滑膜炎)

 

「足関節後方インピンジメント」を起こす約60%はダンスが原因となります。(後は、サッカー選手のインステップキックが原因と言われています)

 

 

【手術治療】

海外の論文では手術の所見から全体の81%は骨性、42%に軟部組織の問題があったと報告されています。

手術治療は

・ 直視下手術(1後内側、2後外側アプローチ)

・鏡視下手術(距骨下および後外側、後外側2箇所、後内側2箇所)

 

術者の最も良いと考える方法で行います。

最近では、カメラ技術の向上で多くの先生が鏡視下手術で手術されています。

 

また、手術後には必ずリハビリは付いてきます。術後のリハビリはとても大切です。手術した足だけ余剰な骨や靭帯が無くなったからといって、直ぐに踊れる訳ではないので傷口が癒えたら、非荷重のトレーニングから開始し、新しくなった足を上手く使いこなすようにリハビリテーション治療を頑張ることが大切です。

 

 

【保存療法(手術しない方法)】

・安静(バレエダンサーには少々辛い)

・テクニックを改変する

・理学療法

・足底板やインソールを使う

・鎮痛剤注射(麻酔薬やステロイド)

 

保存療法は安静が基盤にあるので、バレエダンサーには少々辛いかと思いますが、私の考えとしては1、2回の注射で改善するケースもあり治療の選択肢として大切です。三角骨は必ずしも大きいから症状が出る、小さいから症状が出ないという訳ではありません。あと、ポアントテクニックや甲の出し方(特に甲がよく出るダンサーでは小さい骨でも症状が強く出ることは大いにあります)保存療法の2番目に書いたテクニックの改変というのは、そういった意味も込めてのものです。

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